FantasyNEMESIS

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インタビュータイトル
倉本さん
 

「PGA CHAMPIONSHIP 2019 Fantasy NEMESIS」の舞台となる第87回「日本プロゴルフ選手権大会」。 本大会の主催・PGA(日本プロゴルフ協会)は、国内のシニアトーナメントを主管するほか、ティーチングプロの資格認定やジュニア育成など、さまざまな分野でゴルフの普及と発展に努めている。 そのPGAで、今年3期6年目の会長を務めているのが、倉本昌弘さん。1980年代のゴルフブームを牽引した名選手であり、米ツアー経験を活かした組織改革やトーナメント運営に取り組むゴルフ界のパイオニアだ。 プレイヤーとして、そして主催者として、第87回「日本プロゴルフ選手権大会」の見どころを語っていただいた。

取材・記事/Neo Sports編集部
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10歳からゴルフを始める。大学時代に「日本学生選手権」4連覇を成し遂げ、1980年には「中四国オープン」でアマチュアとして優勝。1981年のプロ転向後、1年目から新人史上最高の賞金ランク2位となり、2年目には「全英オープン」で日本選手歴代最高の4位に入るなど、1980年代のゴルフ界を牽引した。日本ツアー通算30勝で永久シード。2014年、PGA会長に就任。今年6月の「スターツシニアゴルフトーナメント」でシニアツアー通算8勝目を挙げるなど、会長兼選手として活躍中。

選手名倉本 昌弘(クラモト マサヒロ)
所属先フリー
生年月日1955年9月9日
出身地広島県
身長164cm
体重66kg
血液型AB型
出身校日本大学
趣味スキー、読書
ゴルフ歴10歳~
得意クラブサンドウェッジ

―― まずは、第20回「スターツシニアゴルフトーナメント」優勝おめでとうございます。 2日目時点では、首位のプラヤド・マークセン選手と5打差。最終日、谷口徹選手とのプレーオフを制しての逆転優勝でした。 14番ホールのイーグル、とくにセカンドショットには凄みを感じましたが、あのショットで「いける」と感じたのでしょうか。

倉本 ありがとうございます。最終日のスタート時点では優勝争いができる位置にはいませんでしたから、「少しでも上位に食い込めるよう頑張ろう」程度でした。 それに、その時リーダーのマークセンを上回ればいいかと言えばそうでもなく、相手は複数いましたからね。実際、最後はマークセンではなく谷口とのプレーオフに。 ゴルフの場合、他のスポーツ、特に団体競技と異なるのは、自分のミスを他の誰かがカバーしてくれる訳ではありません。 周りの選手がどうこうではなく、まずは、自分に集中し、その結果、自分が最後にどの位置にいるか、なんですよね。

―― まさに自分との戦いですね。そのプレーオフでのウイニングパットは、打った瞬間に確信されていたのか、すぐに歩き出されていましたね。 最後まで接戦で、プレッシャーもあったかと思いますが、どんなお気持ちで臨みましたか。

倉本 あのパットは、打った瞬間に「狙った所に打てた」のですぐに歩き出しましたよ。入る!という確信でしたね、はい。 プレッシャーですか? 谷口も同じだと思いますが、プレッシャーなんてありませんよ。 お互いプレイヤーとして尊敬しあっていますし、そもそも緊張して自分のプレーができないと思うようなら、プレーオフを“敬遠”すればいいわけです。 もちろん、そんなルールはゴルフにはありませんが(笑)。たとえば、これが人生での初優勝とかなら多少は緊張するかもしれませんが、むしろ集中力をどんどん高めていく場面ですね。 ゴルフはひとつひとつのプレーも大切ですが、あくまでトータルで競うもの。下位の選手でも、すごいパットやショットを打つ選手はいます。 しかし、それをトータルで揃えてこそ、優勝争いが出来るわけで、その結果、あの場所(プレーオフ)に立てているわけです。 皆さまが、あのパットにご注目いただけたというのは、最後に“あの位置で”ふたりが競っていたからですよね。 そういう位置をつねに目指しながらプレーすることが、優勝に結びついたと私は思っています。

―― 今年で第87回を数える「日本プロゴルフ選手権大会」は、日本最古のプロゴルフトーナメントと言われ、大正、昭和、平成、そして令和と4つの時代を跨ぐことになりました。 倉本会長ご自身、二度の優勝経験をお持ちですが、まずは“プレイヤー”として本大会についてお聞かせください。

倉本 もっと勝ちたかったですね(笑)。なにせ、日本のプロ選手の一番を決める大会です。2回勝てたではなく、2回しか勝てなかった、と感じています。 毎年コースが変わることもあり、連覇が難しいと言われる大会でもあります。 また、当時は開催時期が定まっておらず、開催コースも1年前まで確定しない、ということもあり、ベストパフォーマンスを発揮するには厳しい大会だったと思いますね。 その経験から、今はできるだけ早く開催コースを発表するよう努めております。そうなれば、各選手もその大会に照準を合わせて良い準備ができるじゃないですか。 周辺も含め、より良い環境を用意することで、それが結果として、各選手のプレーの質を上げることにつながり、ファンの皆さまに、よりハイレベルなプレーをお見せできることに繋がると考えています。

―― 選手にとっては本大会での優勝は、やはり“重み”のあるタイトルでしょうか。

倉本 通算25勝で得られる「永久シード」というプレイヤーのひとつの目標からすれば、他の大会と同じ1勝に過ぎませんが、優勝すると日本ゴルフツアー機構の公認試合の5年間シードが与えられます。 これは選手にとって大きな魅力で、好不調のリズムに左右されず各大会に出場し続けられるわけです。そういった意味では、大きな1勝と言えるでしょう。

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